【読了】猫語の教科書
《手に取ったきっかけ》
好きな映画の一つ『ポセイドン・アドベンチャー』の著者が書いた本だったから。
帯の猫が書いた本という部分が気になった。
=あらすじ=
友人の編集者が私(著者)のところに持ってきたのは、なんと暗号の原稿。それは1匹の猫が子猫たちに書いた「幸せに生きるための人生(猫生?)の教科書」だった。
=面白いポイント=
- 著者は大の猫好き!!猫への愛が伝わる。
- 猫から見た人間の様子が新鮮。その発想がなくて、ドキドキ読み進めてしまう。
- 「猫が子猫たちのために書いた本」だけど、「人間」にも当てはまる?
文庫本なのでページ数も少なく、あっという間に読めた。また、「猫語のノート」という姉妹本もある(こちらは未読)。猫好きの方、いつもと違う本(猫の視点で)を読んでみたい方にお勧め。ぜひ、読んでみて頂きたい一冊なので詳細が書けず…。
以下、本の内容(ネタバレ)を含む感想です。
=感想=
この本は猫が家猫として幸せに生きるため、どのように「人間をうまくしつけるか」をポイントに書かれた教科書。かわいい表情もしぐさも、全部計算されていた!?なんて怖い…。それでも、いいんです。利用されても、知らない振りをしよう。愛する猫に無条件降伏、それでお互いが幸せならば。
本の内容からはずれるが、猫が家を「乗っ取る」のと同じようなことが人間の生活でもある。
たとえば「職場」など。どこでも力の強いボスのような人間がいて、わがままに振舞ったり、意見する者を徹底的に排除したり。いつ自分の身に火の粉が降るか。その私だって、ある程度は快適に過ごしたい。
でも、もし、ボスが職場を自分の利益のためだけに「乗っ取ろうとする猫」だったら…。(もちろん可愛くない)
「(また人の陰口悪口を言って)気を引こうとしているんだな」
「自分を強く見せたいだけだから、気にしない」
この本を読むとボスの行動や言葉を距離を置いて冷静に対処できる気がする。
「観察する」ことに近い感覚。
「思い通りにはさせないぞ」とまるでゲーム。現状さえ楽しんでしまうような余裕。
ずいぶん気持ちが楽になった。
自分の場所を脅かされ「乗っ取られそう」と思ったとき、感情で動くのでなく、距離をとって冷静に対応するために。
私にとっても、教科書だった。